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ユウはたわむれるようにレイの腕を引っぱった。レイの細い身体は、簡単にユウの胸のうえに落ちてくる。ユウはその背中を、ぎゅうっと抱きしめた。
その瞬間、くっ、とレイが微かに喉を鳴らした。彼の反応に違和感があって、ユウは首を傾げた。
「レイさん?」
腕を緩めながら、レイの顔を覗き込む。レイは微笑を返した。しかし、その肌は少し青褪めているように見えた。
悪い予感がして、ユウはレイと体の位置を入れ替える。レイは何の抵抗もなく、ベッドの上にうつ伏せに沈んだ。
「ユウ、なに……?」
ユウは無言のまま、レイが身につけている黒のTシャツと、薄手のグレーのカーディガンの裾を、まとめてたくし上げた。華奢な背中には、薄藍の鳳凰が羽を広げている。さらに白のコットンパンツのボタンを外し、ウェストに手をかけて、ぐいっと下にずらす。瑞鳥の長い尾は翡翠にグラデーションしながら、腰、臀部、さらに太腿に至った。
本来、それは雪肌に映えて美しい。しかし今、無数に散る赤い線に穢されていた。肩先と、肩甲骨のあたりにガーゼがあてられている。少し血が滲んでいるのがわかった。
「ちょっ、レイさん、なにこれっ」
まるで暴行の痕だ。
レイは首を捻り、肩越しにユウを見上げる。
「ユウ、動けるじゃん、」
「おれのことはもういいの。レイさん何されたんですか、」
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