ユウとジンはウマが合わない

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 ユウのうしろで、ジンは可笑しそうに笑っている。素っ裸のユウとは正反対に、もう着衣が整っていた。 「おまえが無茶するからだろっ、」  ユウはぜえぜえと肩で息をしながら、振り返りざまジンを睨みつける。しかしまた嘔吐感がこみ上げて、洗面台の縁にしがみついた。 「悪かったって」  ジンは悪びれもせずそう言うと、ユウの肩にシャツをかけて、その背中をさすった。 「おまえ、いまのバイト、向いてないんじゃない、」 「あんなデカいのぶらさげてる客、そうそういねえよ」 「いや、そういう、」ジンは何か言いかけたが、途中でやめてしまった。 「なんだよ」  はっきりとしないジンに、ユウは苛立って目尻を吊り上げた。 「なんでもない」  そう言いつつ、ジンの双眸は何か意味深なものを含んでいる。ユウは彼のこういうところが、あまり好きじゃない。そもそも、最初から、ジンとはウマが合わないのだ。  ジンに背中をさすられているうちに、気分が回復してきた。 「もう大丈夫」  ユウが顔を上げると、ジンは、普段通りに笑った。   了
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