ユウとジンはウマが合わない

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 ユウの肩口で、男は愉快そうに言った。興奮に熱を帯びて、荒くなった男の息遣いが耳介に伝わってくる。ユウは、焦点の合わない、濡れた双眸を、男のほうへ向けた。 やめて欲しいと言いかけたユウの唇を、強引に男の唇が塞ぐ。意識が霞んだまま、それでもユウの舌は条件反射のように、男の口づけに応えた。 「ふ、う、うう、」  濁流を堰き止めている輪ゴムをそのままにして、男は無情にユウの熱を追い上げ続けてゆく。  ユウの体は何度か痙攣した。その度に、ゆき場のない熱が全身を巡る。  視界が狭くなる。どこか遠いところで、タイムリミットを知らせる電子音が鳴った。  不意に、男の動きが止まる。彼はベッドヘッドパネルに表示されている、デジタル時計の時刻を確認した。  ユウは、はっはっはっはっ……、と短い呼吸を繰り返しながら、呆然と、乱れたシーツの皺を見つめている。 「ああ、もうそんな時間か……」  男は残念そうに呟いて、ぐったりとしたユウの体を抱き上げた。そのまま無理やりに向きを変えて、ベッドの上へ押し倒した。 「ひ、」  ユウの喉から、悲鳴のような声が発せられた。その後、男は自分が達するためだけに、一方的にユウの内部に熱を打ちつけた。
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