25人が本棚に入れています
本棚に追加
ユウの肩口で、男は愉快そうに言った。興奮に熱を帯びて、荒くなった男の息遣いが耳介に伝わってくる。ユウは、焦点の合わない、濡れた双眸を、男のほうへ向けた。
やめて欲しいと言いかけたユウの唇を、強引に男の唇が塞ぐ。意識が霞んだまま、それでもユウの舌は条件反射のように、男の口づけに応えた。
「ふ、う、うう、」
濁流を堰き止めている輪ゴムをそのままにして、男は無情にユウの熱を追い上げ続けてゆく。
ユウの体は何度か痙攣した。その度に、ゆき場のない熱が全身を巡る。
視界が狭くなる。どこか遠いところで、タイムリミットを知らせる電子音が鳴った。
不意に、男の動きが止まる。彼はベッドヘッドパネルに表示されている、デジタル時計の時刻を確認した。
ユウは、はっはっはっはっ……、と短い呼吸を繰り返しながら、呆然と、乱れたシーツの皺を見つめている。
「ああ、もうそんな時間か……」
男は残念そうに呟いて、ぐったりとしたユウの体を抱き上げた。そのまま無理やりに向きを変えて、ベッドの上へ押し倒した。
「ひ、」
ユウの喉から、悲鳴のような声が発せられた。その後、男は自分が達するためだけに、一方的にユウの内部に熱を打ちつけた。
最初のコメントを投稿しよう!