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毎日毎日同じ事の繰り返し。今日もいじめられ、虐げられ、笑われ、貶された。
窓から外を覗くと、屋上が見えた。屋上には誰もいない。あそこから下へ落ちたらどうなるのかな。
何かを求めるように立ち上がった僕のすがたを、同級生の女の子が見ていたように感じたのはきのせいだったのだろう。
***
また、あいつをいじめてしまった。
一昨日もいじめた。昨日もいじめた。今日もいじめた。だから、明日もいじめることになるだろう。
窓から外をのぞくと、駅がみえた。電車が走っている。そうか、あそこに行けば、線路から落ちれば、俺はあいつをいじめるだけの日々に終止符をうてるのか。
のっそりと立ち上がった俺を、同級生の女子がみていたようにかんじたのは、多分、俺の思い込みだったのだろう。
***
家に帰って母に、「学校はどうだった?」と訊かれた。どうもこうもないよ。昨日までと同じように、友達に、いじめられ、虐げられ、笑われ、貶されてきた。でも、母に、心配はかけられない。「……うん、楽しかったよ!」と、満面の作り笑いで応えた。
母は、ボクの言葉の僅かな間に気づいてはいないようだった。
***
隣に座るその男の子は、今日もいつものようにいじめられて、虐げられて、笑われて、貶されて、1日を終えた。彼が帰り際に見せたあの、冷たく、暗い顔は何だったのだろう。
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