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部屋からは海の景色がよく見えた。
暗く沈んだ海ではあるが、部屋の眺めとしては素晴らしいものだった。
静かに揺れているだけの海。
まるで、その水面に自分が浮かんでいるような気持ちになる。
部屋の隅にはチェス盤があり、ここへ来てから老人と何度か対局願った。
老人は相変わらずチェスが強い。
私は一回しか勝てなかったが、一度負けただけでも老人は口惜しがった。
しかし口惜しがりながら、老人は何やら楽しそうだった。
その後、ポーカーもやったが、これはこちらの方が強い。
老人は敗れると、また派手に口惜しがるのだが、やはりどこか楽しそうだった。
夜空に流れ星がひとつ
遠くの方へと消えていった
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