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茂子さんに夕飯の用意をして貰って、帰って貰った。
僕とお父さんと一ノ瀬さんが、食卓に着く。
僕から見る一ノ瀬さんは、まだ若く、背が高く、モデル見たいなイケメンさんだった。
肌は透き通るくらい白く、きっと女性にモテるだろう。
「灯、席に着きなさい。」
お父さんの声で、僕は僕の席に座った。
一ノ瀬さんが、僕の向かいに座る。
お父さんは、僕らの真ん中に座った。
「今までの行為は、どうだった?灯。」
い、今までの行為って・・・もしかして、あの凌辱されたことを指すの?
僕は真っ赤に染まった。
「ぼ、僕は、嫌だった。お父さんが良かった。何であんなことをしたの?」
一ノ瀬さんが、僕に興味深い視線を向ける。
「君が、愛情を受ける為だよ。私はもう、あと少ししか役に立たない。」
「お、お父さんは、どこが悪いの?」
それには、一ノ瀬さんが答えてくれた。
「貴方のお父様は、膵臓癌です。ステージ4で、もう助からない。余命は半年。だから、私にその後の貴方の世話を頼まれました。私はお父様の主治医でもあり、貴方の、保護者にもなる予定です。」
僕は、信じられない思いでそれを聞いた。
お父さんは、まるでそんなこと嘘のように、ごく普通に食事を終わらせた。
僕もお父さんに習って、食事に手を付け、あまり食べられなかったけど、ご馳走様をした。
一ノ瀬さんも、食事を静かに終え、3人で僕の部屋に移った。
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