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「私が亡きあとは、一ノ瀬先生が君を愛してくれる。そのための、お試し期間だったんだよ。」
僕はぼうっと、一ノ瀬さんを見た。
お父さんの代わりに、一ノ瀬さんに愛されるの?
今日初めて会ったのに。
一ノ瀬さんに、抵抗感は無いの?
「貴方は十分美しく魅力的です。私は、貴方のことを愛せます。」
そんなことを聞きたかったわけじゃ無い!!
「そんなことを言ってないで、お父さんを助けて!!お願いです!!」
「・・・・・・・・・・はっきり言って、貴方のお父様の具合は深刻です。もう長くは生きられません。どんなに優秀な外科医でも、お父様の病気は治せません。すみません。」
謝って欲しいわけじゃ無い!!
「とりあえず、今夜は私は静かに休むことにする。一ノ瀬くんに、愛して貰いなさい。」
お父さんが、事も無げに言うのを聞く。
嫌だ・・・嫌だ嫌だ・・・
僕にはお父さんさえ居ればいい・・・
そう言って、一ノ瀬さんを残して、お父さんは僕の部屋を出て行った。
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