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僕を柔らかく抱き締めてくれる一ノ瀬さん。
本当に?本当なのかな?
「これ・・・夢でも嘘でも無いんですか?・・・」
僕がそう言う間も、僕を抱き締めてくれる一ノ瀬さん。
僕の言葉に、より一層、ギュッと強く、抱き締めてくれる。
これが本当なら、僕は・・・僕はもっともっと強くなれる・・・いや、強くならなければならない。
「私の言葉を信じてください。そして、受け入れてください。もう、我慢するのに飽きました。」
「いちのせ・・・さん・・・」
一ノ瀬さんは、僕を抱く力を緩めて、僕の顔を見つめてきた。
その顔は、今まで見たことも無い程、赤く紅潮していて、切なげな表情だった。
僕・・・この顔を信じていいの?
僕は、愛おしい体を、ギュッと、抱き締めた。
いい匂いのするその体を・・・
「信じます・・・信じさせて・・・ください・・・」
「ありがとうございます。」
一ノ瀬さんの表情が、ホッとしたものに変わる。
顔が・・・近づいてくる。
そして、唇と唇がくっついた。
あ・・・僕・・・一ノ瀬さんにキスされてる・・・嘘・・・嘘みたい・・・でも本当のことだ・・・僕・・・幸せだ・・・
僕らは、舌を絡ませ合うキスに酔いしれた。
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