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僕は、浮かれていたんだと思う。
一ノ瀬さんに愛されて・・・自分自身、自信を持てて・・・そして、恋愛にすら自暴自棄で・・・
学園に行っても、僕は同性である男子高校生に愛された。
知らない人が、僕に告白してくる。
「お、俺、君のことが好きなんだ」って・・・僕には関係無いのに。でも、赤くなって告白してくるその貌に、僕は無視が出来なかった。
だから、抱かれた。
同級生や、上級生に、告白された回数分だけ、僕は抱かれた。
こんなこと、なんとも無い。
僕は、抱かれても、感じない体になっていた。それでも、相手のことを考えると、感じる振りをするしか無い。
好きな相手とするセックス以外は、僕は感じなくなっていた。
それでも、感じている振りをする。
相手に、不感症だと思われないように・・・僕は自分の体になんて、なんの価値も無いと彼らに僕を与え続けた。
一ノ瀬さんが、それに気付いたのは、家に先輩が訪ねてきた時だ。
僕にお熱の、3年生の先輩。僕は、それほど好きじゃなかったけど、めんどくさくて、相手をしていた。
抱かれ慣れた僕の体は、先輩にされても何も感じなかったけど、感じる振りをしていたら、先輩は勘違いをして、僕の家を訪れた。
彼は一ノ瀬さんに、こう言った。
「俺、須田のこと、本気です。認めて貰いたくて、今日は来ました。」
「君は・・・灯の何を知ってるのかな?」
一ノ瀬さん・・・ごめんなさい。僕、悪い子になってた。嫌われるのが怖くて、誰彼構わず、相手をしてた。ごめんなさい。僕・・・僕・・・本当に好きなのは、貴方だけなんです。一ノ瀬さん・・・だから、僕を捨てないで・・・
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