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「私が最後まで、貴方を抱けば、もう貴方は他の誰かに抱かれることはしない、と仰るんですか?」
「は、はい、そうです。お願いです。」
「何故そこまで、体の繋がりに拘るのです?プラトニックな関係では、ダメなのですか?私は、貴方が成人するまで待つ、と決めています。私の気持ちは、貴方に告げました。それだけではダメなのですか?」
一ノ瀬さんは、トレーをダイニングテーブルに置いた。
そして、僕を見つめた。今度は、優しい瞳で・・・
プラトニックな関係・・・
僕は、それだけじゃ足りないんだ・・・なんでか自分でも分からない。もしかしたら、お父さんに幼い頃から抱かれてきたせいかもしれない。体の繋がりで、愛情を確認してきたからかもしれない。それが無いと、なんだか不安なんだ・・・
僕は、普通の男子とは、違う。
自分でも、それは分かっていた。
「貴方と・・・繋がりたいんです。心だけじゃ無く、体も、愛されたいんです。僕は・・・僕は心だけじゃ、足りないんです。」
それだけ必死に一ノ瀬さんに訴えると、一ノ瀬さんはフッと、溜息をついた。
「それでは、貴方には、成人するまで、ここに監禁させていただきます。ここに居れば、変な気も起こさないでしょう?もう学園は退学しましょう。そう手続きをしておきます。出来れば貴方には・・・普通の男の子の生活を満喫して欲しかったのですが・・・貴方には、普通の生活は無理だということが分かりました。貴方は、監禁されることを望んでさえ居るようですし・・・貴方の世界を私一色にしてしまえば・・・変な気は消えます。」
一ノ瀬さんは、ピシャッとそれだけ言うと、トレーを手に、僕の部屋から出て行った。
ガチャッと、鍵を外側から掛けるのを忘れなかった。
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