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いつの間にか、僕は寝入っていた。
僕が起きると、一ノ瀬さんは隣に居なかった。出て行ってしまったのか・・・その姿はここには無い。
と、シャワールームからサーッと、音がする。
そちらを見ると、一ノ瀬さんが、全裸で、シャワーを浴びていた。
出て行かないで居てくれた・・・僕はそれが何より嬉しかった。
パジャマのまま、一ノ瀬さんの居る風呂に、駆け寄る。
僕に気付くと、一ノ瀬さんは、キレイな笑顔を見せた。キレイな肌・・・真っ白な・・・でも、それは、大人の男の体だった。
「おいでなさい。」
一ノ瀬さんが、僕を呼ぶ。
僕は、パジャマを脱いで、風呂場に入っていった。
全裸の僕を、一ノ瀬さんの冷たい瞳が見つめる。
僕は、フルッと震えた。
どうすればいい?・・・
グイッと、一ノ瀬さんに腕を引かれると、僕の体は一ノ瀬さんの腕の中に包み込まれた。
温かい肌・・・滑らかな・・・
冷たい僕の体を、一ノ瀬さんは温めてくれた。
クスッと、一ノ瀬さんが笑う。
「冷たい肌ですね。でも・・・きめ細かく、キレイな肌だ・・・」
僕の肌を一ノ瀬さんの指がサワサワと触る。僕はくすぐったかった。
「・・・・・・っ・・」
あまりのくすぐったさに、僕が身を捩ると、一ノ瀬さんは、面白そうに笑った。
「昨夜はよく眠れましたか?」
「・・・は、はい・・・いつの間にか・・・眠っていました・・・温かくて・・・」
「私は、貴方の寝顔を眺めていました。可愛い寝顔を・・・」
思わぬ言葉に、僕はカッと頬が熱くなった。
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