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昼食の時間になった。茂子さんが、僕を呼びに来てくれる。今までの監禁と違っていることは、食事はダイニングで一ノ瀬さんと一緒に摂れることだ。
お父さんは、いつもこの部屋に食事を持ってきて居て、僕にはこの部屋が唯一の居場所だった。
ダイニングに着くと、一ノ瀬さんが、ダイニングテーブルに座っていた。
僕には見向きもしない。
「いただきます。」
「い、いただきます。」
一ノ瀬さんの言うのに、僕も続いた。一ノ瀬さんは、黙々と食事を口に運んでいる。
僕も、必死に、ご飯を食べた。本当はそんなにお腹が空いていた分けじゃ無いンだけど。
だって・・・部屋でジッとしていたら、お腹なんか空く分けが無い。
食べ終わると、一ノ瀬さんが、僕の腕を取り、僕を部屋に連れて行く。
部屋に着くと、僕を中にやり、部屋に鍵を掛けようとした。
「い、一ノ瀬さん・・・お願い・・・お願い・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
一ノ瀬さんは、自分も部屋に入り、後ろ手にドアの鍵を閉めた。
これで誰もこの部屋に入って来られない。僕は、嬉しかった。
一ノ瀬さんが、僕をベッドへと追いやる。
僕はされるがまま、ベッドへと腰を掛けた。一ノ瀬さんが、立ったまま、僕を見下ろしている。冷たい瞳で・・・
僕はその瞳にゾクッと背筋が寒くなった。
冷たくて美しい瞳だった。
その顔が近づいてきて、僕の唇に一ノ瀬さんの唇が近づく。
キスされる・・・そう思った瞬間・・・ドアをコンコンとノックする音が聞こえた。
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