再びの監禁

13/14
前へ
/176ページ
次へ
このしんとした静けさが僕を焦らせる。 今、一ノ瀬さんは、誰と、何の話をしているんだろう? 早く・・・早く来て・・・・・一ノ瀬さん・・・ コンコン、とノックする音がして、一ノ瀬さんが入って来た。 僕はベッドから立ち上がる。 一ノ瀬さんを、見つめる。 「貴方と話したいと仰るので、お連れしました。」 一ノ瀬さんの後に入って来たのは、やはり、坂田先輩だった。 気後れ気味に、僕の部屋に入ってくる坂田先輩。 「さかた・・・先輩・・・?どうして?」 「ごめん、しつこくして。でも俺、どうしても君のことを・・・学校に来てくれないから心配になって・・・来てしまった・・・」 「僕は、貴方のことはなんとも思って居ないと、言いましたよね?なのに何故ここに来るんですか?はっきり言って、迷惑です。」 僕は、一ノ瀬さんの気を悪くしたくは無かった。冷たい言葉を投げつける。 「す、済まない・・・でも俺・・・君が学校に来てくれないと心配で・・・」 「僕はもう、学園には行きません。」 「え?何故そんな・・・俺がしたことを怒っているのか?」 そこへ、一ノ瀬さんが、口を挟んだ。 「もう学園に行かないなんて、誰が決めたのです?灯くん。」 「え?だって・・・貴方がこの部屋に僕を・・・・・・・」 「少しお灸を据えただけです。貴方には、また学園に戻っていただくつもりでした。」 「どうして・・・一ノ瀬さん・・・?」 僕はもう学園に行くことは無く、ここに監禁され、一ノ瀬さんだけに愛されるものだと思っていたのに・・・どうして・・・そんなことを?・・・
/176ページ

最初のコメントを投稿しよう!

287人が本棚に入れています
本棚に追加