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このしんとした静けさが僕を焦らせる。
今、一ノ瀬さんは、誰と、何の話をしているんだろう?
早く・・・早く来て・・・・・一ノ瀬さん・・・
コンコン、とノックする音がして、一ノ瀬さんが入って来た。
僕はベッドから立ち上がる。
一ノ瀬さんを、見つめる。
「貴方と話したいと仰るので、お連れしました。」
一ノ瀬さんの後に入って来たのは、やはり、坂田先輩だった。
気後れ気味に、僕の部屋に入ってくる坂田先輩。
「さかた・・・先輩・・・?どうして?」
「ごめん、しつこくして。でも俺、どうしても君のことを・・・学校に来てくれないから心配になって・・・来てしまった・・・」
「僕は、貴方のことはなんとも思って居ないと、言いましたよね?なのに何故ここに来るんですか?はっきり言って、迷惑です。」
僕は、一ノ瀬さんの気を悪くしたくは無かった。冷たい言葉を投げつける。
「す、済まない・・・でも俺・・・君が学校に来てくれないと心配で・・・」
「僕はもう、学園には行きません。」
「え?何故そんな・・・俺がしたことを怒っているのか?」
そこへ、一ノ瀬さんが、口を挟んだ。
「もう学園に行かないなんて、誰が決めたのです?灯くん。」
「え?だって・・・貴方がこの部屋に僕を・・・・・・・」
「少しお灸を据えただけです。貴方には、また学園に戻っていただくつもりでした。」
「どうして・・・一ノ瀬さん・・・?」
僕はもう学園に行くことは無く、ここに監禁され、一ノ瀬さんだけに愛されるものだと思っていたのに・・・どうして・・・そんなことを?・・・
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