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「今日はここに泊まらせて貰っても、いいのでしょうか?」
一ノ瀬さんが、僕の顔を伺うように覗きこむ。
「え・・・でも・・・ベッドが一つしかありませんけど・・・それでもいいなら・・・って言うか、客室とか、あるじゃないですか?」
「ええと・・今日はお父様から貴方の相手をするように言われてて・・・」
「相手?って・・・え、ええ?」
相手と言えば、お父さんの代わりってこと?
お父さんはもう、自室に帰ってしまった。
「でも僕は、誰とでもそういう行為をするわけじゃ・・・でも、相手が貴方なら・・・」
僕の語尾は徐々に小さくなって行った。
一ノ瀬さんは、クスッと笑った。
わ、笑うなんて、酷い。
お父さんのことを知らされて、ショックがまだ収まってないのに・・・
僕が睨むと、一ノ瀬さんは、謝った。
「申し訳ありません。お父様のこと、ショックでしたよね。笑うなんて、不謹慎でした。」
僕は、お父さんが一番好きで、大好きだったけど、一ノ瀬さんのことは、好きになる予感がした。
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