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◇◇◇
薄い緑色の壁。ボロボロに破壊された周囲の家屋敷より、そこは幾分か建物としての形を保っている。
だが、戸口は激しく吹き飛ばされた痕があった。
ファジュル王国から特殊部隊として派遣されたキヤーナ達が、首相官邸に侵入する際に爆弾で吹き飛ばしたその痕だ。
官邸内に潜入し、首相の部屋までたどり着いたキヤーナは、この国で一番丈夫だと言われてきたこの部屋の扉に、残っていた全ての爆弾を時間差で仕掛けていた。
防護壁の役割を兼ね備えた大きな扉。
一度の爆破では崩せないと睨んだキヤーナは同じ箇所に繰返し爆弾を仕掛け、何度もダメージを与えた。
ほんの少しのひび割れが生じると、分厚い大きな扉はそこから意図も簡単に破壊されていた。
青ざめたこの国の首相、イザークとその側近達。そして一緒に身を潜めていた大臣達も──
突入して銃を構えた特殊部隊を前にして彼らはゆっくりと両手を上げるしかなかったのだ。
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