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ハーディはコポコポとポットから湯を注ぐ。
カップに淹れたハーブティをアサドとザイードに手渡していると病室の扉が静かに開いた。
「結果が出たか」
顕微鏡を手にして入ってきた医者にザイードが尋ねていた。
「出ました」
そう答えた医者はベッドに腰掛けていたアサドの前に座って向かい合う。
アサドは何も言わず無言のままだ。
「如何で御座いましたか?」
ハーディは医者の後ろからそう窺った。
「今からご説明致します。アサド様が17の時に診断された御病気ですが……その前にこれを御覧下さい」
医者はアサドに顕微鏡を覗かせた。
「……どうですか?」
医者は尋ねた。
「………」
「数は少ないですが……とても活発です」
無言のアサドに感想を尋ね、簡単に説明する。アサドは小さく口にした。
「では……」
「御子様が出来る確率は40パーセント…」
「──……」
「おめでとうございます──…アサド様に御子様が出来てもまったく不思議では御座いません」
はっきりとそう診断した医者の言葉にハーディは思いきり皺だらけの表情を輝かせていた。
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