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「あ、この色いいっ!」
シャンパンゴールドとかいう色の新機種を手にして、あたしは声をあげた。
“メール読んで着信に出れば連絡取り合ってるのと同じだよ?──”
確かにそうだ…
あたしは夏希ちゃんに言われた言葉を思い出しながらケータイショップの見本機種を見て回る。
高槻はなに言っても俺様なヤツだから完全拒否しなきゃ振り切れない──
夏希ちゃんに言われた通り、あたしはケータイを買い換えに朝一でショップを訪れていた。
「このお色で宜しいでしょうか?──」
「はい」
一発で気に入った機種の在庫を調べてもらえば店員からそんな返事が返ってくる。
携帯買い換えるまで見張るという、ほんとに着いてきそうな勢いの夏希ちゃんを追い返し、新しい携帯に買い替えて、あたしは直ぐに夏希ちゃんにメールを送っていた。
散々約束ごとを破っても背徳の行為ありき元彼に心が揺れたとしても──
夏希ちゃんは一生懸命あたしを束縛してくれる。
何をしても
“離さない──”
そう言ってくれるからあたしは少しずつ自信を持ち直していく──
一度目の恋を失った時の傷が深すぎたから…
中々、本気になりきれなかったあたしだったけど
夏希ちゃんの一途な束縛にあたしは少しずつ本気で向き合うということに前向きになれていた。
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