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大きな発声に息を切らすあたしのバックの中で購入したばかりの携帯が震えている──
「何ですかっ!?」
「──……何ですかって…晶さんがメールくれたんじゃん…」
出たのは夏希ちゃんだった。
「……なに怒ってんの?…携帯換えてくれたんだ…」
戸惑いながらも言うことを聞いてくれて嬉しいと思ったのだろうか?何気に語尾が弾んでいる。
「換えたの失敗したっ」
「は?…なんでいつもいきなり怒るわけ?」
「夏希ちゃんが曖昧で済ませようとするからだよっ」
ごみ箱にぶつけた勢いのままだ。
「…意味わからない……とにかく今日仕事終わったら家にいくから…鍵もちょうだい」
「あげないっ!」
「──…!?」
たじろいだ様子の夏希ちゃんを無視してあたしはそのままプツッと携帯を切った。
思いきり声を出してぶつけたせいかちょっとスッキリした気がする。
昨夜、セックスに夢中になり過ぎたせいか夏希ちゃんはせっかく見付けたマンションの鍵をベットの枕元に置いたまま忘れてあたしから追い返されていた。
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