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「入れよ?」
入れよ!?
あんたのウチじゃないけどっ!?
ドアを開けて中へ顎で促す高槻に一言申したいのを我慢しながらあたしは家に入った──
「お邪魔します」
「──あ、一応言うんだ?へえ…」
「お前俺をなんだと思ってんだ?」
自分家の様にズカズカと入ると思いきや、上がり際に一言声を掛けた高槻に少し感心した。
高槻はソファに腰を下ろして部屋を見渡した。
一帯何しに来たんだろうか──?
高槻がゴソッと動く度にあたしはつい身構える。
「襲わねえって…」
いちいち構えるあたしを呆れ顔で見ながら笑っていた。
「飲み物も何も出んのか?ここは…」
「おいしい水道水ならあるよ」
「美味しくないお茶はないのか?」
「………」
相変わらず負けないヤツだ……。
あたしは早く立ち去る様に祈りながら観念して冷蔵庫を開けた。
「──…っ」
途端に背後に大きな気配を感じる。
「しっかりしてんな中身…」
高槻は冷蔵庫を覗きながらそう言った。
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