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――はやくも二度目の死をむかえるところである。
情けなくも動揺する心臓をなだめている間に、再び階下から件の箱がすーっと音もなく浮上して、なに食わぬ顔でもとの位置におさまった。
「…………」
東雲は誰が見ているわけでもないのに、ばつが悪そうな面持ちで視線を泳がせた。
一体自分はなにをやっているのか。
「浮かれているのは俺の方だってか……。やかましい、自覚してるわ」
無理からぬことだ。
ここは伊賀の里でもなければ、彼を縛る伊賀者は誰一人としていない。十数年もの間囚とらわれていたしがらみから解き放たれた今、平常心を保てという方が土台むちゃな話なのである。
しかしこれでは、いつ再びころっと死んでしまうかわからない。
東雲は気合を入れ直すように両頬をたたいた。
「臨兵闘者、以下省略!」
喜ぶのはまだ早い、と喝をいれる。
しかしその姿すら、やはりどこか楽しげであった。
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