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(なんだ、これは……)
無慈悲な鉄柵の牢獄に、数十人もの青鬼が捕らえられている。首にはさびついた太い鎖がかけられ、その風体は家畜のように汚らしい。
牢の外側では、三人の赤鬼が金棒を片手にうろついていた。
仲間割れか――と思ったが、どうにも様子がおかしい。
そもそも、赤鬼も青鬼もどちらも鬼であることには違いないが、その容貌は似ても似つかない。生物の種からしてまるっきり別物といっても過言ではないほどに、両者の姿は異なっていた。
筋骨隆々な赤鬼に対し、青鬼の四肢は柳のように細く、肌は雪のように青白い。髪は透きとおるような淡い銀糸で、瞳は深い青紫である。額から伸びる一本角も、赤鬼の二本角に比べ、ずいぶんと頼りない。
もともと細い体躯なのだろうが、ひどくやつれた風貌もあいまって、今にもぽきりと折れてしまいそうな印象を受ける。
彼らはあきらかに弱者であった。
事情などなにも知らなくとも、彼らが虐げられる側の存在であり、赤鬼の支配下に置かれていることは明白である。
東雲は、腹の奥底がすーっと冷めていくのを感じた。
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