第1章 鬼ヶ島からの脱出

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 人生は選択の連続である。  ひとたび道をあやまれば、人の命などというものは、さながら海原にもまれた木の葉のごとく、たちどころに泡沫(うたかた)の狭間へと失われゆく。  ――東雲の骨身に刻まれた教訓である。  そうであるにも関わらず、気がついた時には飛び出していた。  この突然の乱入にもっとも驚いたのは、他でもない――東雲自身であった。
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