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ミドウは苦笑いをして言葉を呑み込んだ。言いたいことはわかる、一般受けしないジャンルだと言いたいんだろう。
「言いたいことは分かりますよ、一般受けしないでしょう? でしょ」
「いやいや。ご自分で分かっていながら何故そのジャンルを?」
「なんだかんだいっても、この│壱ノ宮が好きなんですよ。でも正直、寂れていっているのは否定できません。何とかしたい、けど何をしたらいいだろう」
少し熱っぽいかな? でもたぶんこの人なら受け止めてくれるだろう という甘い考えで話を続けた。
「小説で食べていく程ではないので、別の仕事をしています。壱ノ宮の地場産業である繊維関係のね。おもに荷物の配送なんですが、ちらほらと史跡をみかけるんですよ」
「ああ、城跡の石碑とか見かけますよね」
「そうです。それが気になり図書館で調べたら、壱ノ宮は歴史が深い事に気付いたんですよ」
「深いとは」
「日本の歴史の動きに関連する場所とか人物が出ているとかですね」
「ほう」
ミドウの顔つきが少し変わった。
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