02:小川三水の[依頼と邂逅]

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「小川さんは、歴史上の人物にも興味があるんですか」 「それはもちろん。土地は動きませんからね。人の歴史を動かすのはやはり人です」 「ちなみに一番気になる歴史上の人物は」 「戦国時代の浅野長政ですね。目立った戦国大名ではありませんが、重要な場面ではほぼ名を連なっています。彼を主人公にした小説を書くのがライフワークです」 「なるほど、長政ですか。良いところに目をつけなさる」  ミドウは感心したように頷いた。自分のやっている事を認められて褒められる(? )のは嬉しい、少しいい気になった。 「そうすると歴史でも戦国時代のみが守備範囲なんですか」 「いやいや、守備範囲は壱ノ宮という土地で、時間軸は古代から現代まで興味ありますよ」 「古代にも歴史上の人物がいますか」 「いますね。朝廷に連なる者とか。でも今は興味ありません」 「現代だとどうです」 「そちらも特にはないですね。なにせ新しすぎて歴史上の人物と認識しにくい」 「そうですね」
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