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ミドウは自分のコーヒーを飲んだ。その姿がなんとも言えず格好いい。こんな目立つ人が探偵みたいな仕事をやれるのだろうか、疑問に思う。
少し冷静になった。ミドウはどう見ても私より若い。さっきから私が一方的に話しているし、少々興奮ぎみに話しているから周りから見たら私がミドウを説教している様に見えていないだろうか。
自分の事ばかりで周りを気にしないとか、年下に対して自然に上から目線になってしまう、そんな年寄りにそろそろ仲間入りしているのかもしれないなと、ふと思ってしまう。
「どうしました」
ミドウの言葉に我にかえり、いまふと思った事を素直に話した。するとミドウは、
「考えすぎですよ、小川さん」
と、笑ってくれた。その目はなにか懐かしい? いや郷愁? なんとも言えぬ目をしていた。
「そんなことより小川さん、現代近くで偉人とか歴史上の人物と言ったら誰を連想します」
「最近でというと……魁山先生かな」
「やっぱり森友魁山ですか」
「私の世代はたぶん皆そうだろうね」
森友魁山、もう亡くなって何年になるかな。
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