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「しかし、まだまだです」
そういうとミドウは私の顔を覗き込むように顔を近づけた。
「森友魁山が捨子だったのは御存知でしたか?
戦時中、特殊部隊にいたことは?
戦後、なぜ戦犯から逃れられたのかは?
妻をふたり失くしていることは?
知ってましたか? 」
矢継ぎ早に言うミドウの質問に何も答えられなかった。正直まともに調べたことないのだ、だから知らなくて当然なのだが、郷土の偉人を調べている小説家と名乗った後だから、とても恥ずかしくなった。 私が口ごもっていると、
「すいません、小川さんを困らせるつもりはなかったんです。魁山が意外な人生を送っていると言いたかっただけなんです」
そういってミドウは、ぺこりと頭を下げた。
慌てて私は頭をあげるように言った。
なるほど確かに面白い人物かもしれない、少し興味を持った。
だがしかし、やはり最近すぎる。戦国時代は500年くらい前の話だ、資料も少ない。だからスキマを想像で補う事で[物語]に出来る。
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