02:小川三水の[依頼と邂逅]

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「でもそれは魁山の創始した[森友財団]が発行したのものばかりですよね。そうすると先程挙げた魁山に対するマイナスイメージになるものは載ってないんじゃないてすか」 「そうかもしれないが、だとするとさっきの情報はどこから手に入れたんだい」 「僕は探偵ですよ。聞き込みをして色んな人と話をしていたら、魁山の話題が出て、自分たちの知っている魁山のイメージと随分違う話を聞くんです。それこそ生き証人の言葉です」  なるほど、自分の足で集めた情報なのか。確かに信憑性はあるが、口伝えだと伝言ゲームの例もある、正確性に欠けるのではないだろうか。 「それは確かな情報なのかい? 主観が入ると印象が変わってしまうよ」 「だからなんですよ。財団発行の資料と、ボクの集めた情報を擦り合わせて、魁山の本当の人物像を知りたいんです。でもボクにはそれを出来る知り合いがいない、だから小川さんに会って話をして、ああこの人だと思ったんです」
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