最後の夏

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最後の夏

わたしからもあの方のお話が聞きたいですって? ええ、いいわよ もちろん わたしがあの方にお会いしたのは そうねぇ、もうずーっと前の事ね あの方は抜けるような青空はもちろんとてもよくお似合いよ? でも、ご存知かしら まっ白い雲もよくお似合いなのよ それから川のせせらぎ みずみずしい西瓜もね もうわたしはあの方にお会いすることはないわ とても残念だけれど それでも、あの方の光を少しは感じることはできるの! ここは暗い物置だけれど、夏が来るとあの方はこんな場所にまで光を与えてくださるの とても広いお心を持っていらっしゃるわ もうお会いできないと知ってからは、本当に辛かったわ でもある時、あの方が光を与えてくださった 蝉の声がよく似合う、とても暑い時期 それからは、ここであの方の光を感じる日々をとても待ち焦がれていた 蝉の声を、今か今かと、ね 燃えるような、世界を隅々まで照らしてくださる強い光 優しい、全てを包み込むような光 わたしの大好きな光 わたしの大好きなお日様
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