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外国人も2010年代に比べて格段に増えたのだが、それ以上に異星人が増えた。
異星人に比べれば地球人類はまだ理解できるという、しょうもない理由で、地球人類同士は表向きは仲良しになっている。だが、影で行われる差別や暴力はもうそれはひどいことになっており、そのひどさを隠す為に日本人は益々作り笑顔が得意になっていた。
駅員はまだ日本人が多い。異星人には任せたくないのだろう。さっき特急券を客が持ってるか確認してた車掌も日本人だ。
「柏駅から特急指定席を予約したお客様が乗ってきますので、席をお譲り下さい」
こっそりと指定席に座っていた貧乏な日本人に対し、優しく微笑んでいる車掌。変わらずだな、この構図は。
柏駅から乗ってきたのが身体中から木が生えてる木星人だったので、露骨に嫌な顔する地球人客の多いことよ。
そもそも、さっきから言ってる金星人とか木星人とかは正式なカタカナ名称があるのだが、面倒なので、金色っぽいのは金星人、木っぽいのは木星人と適当に呼ばれている。みんな正式な名称より、分かりやすい蔑称が好きだもんな。
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