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教室に入って窓際の後ろから二番目が私の席。
律は、たまたま私の後ろの席だ。
「りつー!呼び出しだぞ。めちゃくちゃ可愛い子から!」
クラスメイトの男子が、律を廊下に呼び出している。
律は、面倒くさそうに廊下に視線を移した。
小さくて可愛い女の子が、おずおずと緊張した顔だ立っていた。
「ごめん。今忙しいから無理。」
律は、席を離れる様子もなくそれだけ言うと窓の外を見ている。
「律。何か忙しいの?行ってあげればいいじゃん。」
内心、行かないで安心している自分がいたのに、真逆のことを言ってしまう。
私のバカー!!
行かなくて良かったじゃん!
「じゃあ、あめりが代わりに行ってよ。知らない奴の呼び出しなんて怖いだろ。」
知らない奴って可愛い女の子からの呼び出しなのに?
高校に入学してから、律が何人もの女の子から告白されて断ってるのを知ってるけど、律って理想が高いのかな?
「りーつ!!そんなこと言うなよ!」
クラスメイトの男子は律に向かって声を掛けてる。
「律。行ってあげなよ?」
「……。」
律は、溜息を吐きながら廊下に向かって歩き出した。
廊下で待っていた可愛い女の子とどこかに行ってしまった。
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