グリンの森の喫茶店

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 ある日の雨の日に、カメレオン店主はいつものように三人と一緒にテーブルに座った。  カメレオン店主が作ったジュースに、グリンが作ったパンを皆で食べた。レインもグリンが作ったパンを食べたが、レインはパンにむせて、ケンケンと(せき)をした。  カメレオン店主は慌ててコーヒーミルクを入れるための小さな入れものに、水を入れてレインの前に置いた。  レインはコクリコクリと水を飲んだ。  「あっ、飲んだ! 私があげた物を食べた!」  カメレオン店主は大喜びした。レインは首をかしげてカメレオン店主を見つめた。そして自分の羽根をくちばしで()くと、羽根が一枚抜けた。  チョンチョンとテーブルの上をはねてカメレオン店主の前まで行くと、羽根をテーブルに置いた。  そしてパタパタと飛んでグリンの頭の上にもどった。  カメレオン店主は羽根を手に持つと、大喜びでパッと虹色に変身してみせた。  「よかったね」  ニッキが言った。  「オレもそう思う」  グリンも言った。  「明日も雨が降るといいなあ」  カメレオン店主が言った。グリンとニッキは顔を見合わせて笑った。  「そうだな。オレもそう思う」  グリンが言った。
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