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苦笑しながらも、シゲちゃん同様に天を仰ぎ相槌を打つ。いつ戻れるのかも分からない状況で、今は流されるままに過ごすしかなかった。
ただ、現代からここへ飛ばされて、少しだけよかったと思うことがある。それは、服から鞄まで、身につけている物が全て無地だったこと。
もし、うっかり英語文字なんかが刷られた服を着ようものなら、たちまち周囲から目の敵にされるだろう。現代での当たり前が、ここでは通用しないのだ。
帰り道、対岸に見える巨大な建物はどこか見覚えがある。行きがけにも見えたが、外観はまるで美術館か博物館のようだ。
「あれって……」
その巨大な建物を指し示し訊いてみた。すると俺が指差した方を見て、シゲちゃんは思い出すように「おぅ、あれか」と。
「ついこないだ出来た……んー、なんじゃったかのぉ」
だが思い出せないのだろう。しきりに首を捻り胸の前で腕を組み、考える素振りを見せる。
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