1-3 8月6日

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   爆風と共に窓ガラスが砕け、崩壊した壁が俺達の背後に迫る。熱線の中でガラスの破片が、シャリ、シャリッ、と小気味いい音を立てて肉を切り刻み突き刺さった。  咄嗟に俺はシゲちゃんに向かって右手を伸ばしたが、あえなく崩れた壁の塊たちに飲み込まれてしまう。  しばらく、真っ暗な世界が続いていた。……熱い、身体中の至るところがじりじりと焼けるようだ。気がつくと、目の前にはさっきまで凭れていたはずの建物の壁が瓦礫(がれき)となって幾重にも覆い被さっていた。  早くここから出なければーー言いようのない危機感が襲う。埋もれている体を捩れば、運良く瓦礫に隙間が出来ていたたらしく、辛うじて手足は動かせる。 「痛っ……」  手足を動かした瞬間、ずきりと走る熱を持った痛み。それに耐え、なんとかここから出ようと地を掴み匍匐(ほふく)前進するようにもがく。  ようやく上半身が大気に晒された時、前方に見える瓦礫から飛び出した鉄骨は、ぐにゃりと歪に溶け湾曲していた。  
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