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彼女を象徴するふたつ括りのお下げは、熱で焼け縮れて、もう以前のような艶やかさは微塵も残していない。すぐ側には火の手が迫り、今にも家屋を飲み込もうとしていた。
「シゲちゃん……しょうちゃんも、無事じゃったんか。よかった……」
肩から下を木材に挟まれたまま、そう言ってサっちゃんは弱々しく笑う。目下、家屋の下敷きとなっている自身の状況を捨て置き、俺やシゲちゃんが無事だったことに安堵する彼女を見てはっと思いつく。
「そうだ! 今、助けるからーー!」
一旦シゲちゃんを下ろすと、折れて落ちていた柱を拾い、地面と崩れた屋根の間に割り込ませる。そして下から柱を支えるように踏ん張り、少しでも隙間を作ろうと力をかけた。
「ーーっ!」
だが、摩擦によって柱がみしみしと音を上げるばかりでびくともしない。すると、俺に倣うかの如くシゲちゃんが木材を屋根の間に噛ませ、火傷を負った右手を使い加勢に入る。
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