1-3 8月6日

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   シゲちゃんもまた、彼女を助けたいのだと思いが伝わってきた。しかし再度力を入れた時、ずるり、シゲちゃんの焼け(ただ)れた肩の皮膚が10センチメートルほど下にずり落ちた。 「シゲちゃん! 肩がーー」  自身の皮膚が剥がれるのも(いと)わず尚も力を加え続けるその姿を見て、言いかけた言葉を飲み込む。言ってはいけないと思った。  シゲちゃんはきっと今、サっちゃんを助けたい一心で痛みを忘れている。彼の今の状態を気づかせてしまっては、助けられるものも助けられない。  だから今度は俺がシゲちゃんに倣い、持てる限りの力で柱を押し上げる。 「くそっ! この屋根、動けよ!」  しかし屋根はぴくりとも動かず、迫り来る火の粉を前に焦燥感だけが押し寄せ、当たり散らすかのように声を荒らげた。すると、見兼ねたのか顔だけを上げてこちらに視線を送り、サっちゃんが言う。 「シゲちゃん、しょうちゃん、もうええ……もう、ええんよ」  
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