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「あのダンジョンはそんなに稼げるのかい?」
「そういや、あんたも初日から個室に泊まっていたわよねえ」
「うちとしちゃ客が増えて嬉しい限りだけどねえ」
おかみさんが一方的にしゃべりまくる
「あがったぞー」
厨房から旦那さんの声が聞こえる
「あいよー」
「あんたらも後から来た連中に負けるんじゃないよ」
バンッと背中を叩かれる
「はい、ありがとうです」
おかみさんに言われてみれば冒険者風の人達が増えてきている
中央広場の朝市にも何人か見かける
キャラバンでも何人かの冒険者が買い物をしている、店も増えている気がする
いつものハンチング帽にチョッキの男に聞いてみる
「最近冒険者が増えて、それ目当てのキャラバンが来たんだよ」
「これは噂なんだがな」
「”大麦畑のダンジョンから魔法の武器が出る”らしい」
「さすがはうちの親方だ、金のニオイを嗅ぎつけたんだろう」
「こりゃ当分はここで商売を続けると思うぜ」
「おっと、風呂だろ?」
「2人で銅貨21枚の所を銅貨20枚でいいぜサービスだ」
手を前に出して支払いの催促だろうか?
「え?さらに値上がりしてるじゃないですか?」
「需要と供給ってヤツらしいぜ、親方の指示なんでな…わりいな」
「その代わりいつもの長湯は構わないよ、俺たちの仲だしな」
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