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駅馬車.1
ブレオテの北門
ブレオテの町の北門の外には空き地になっている
騎士団が駐屯したりキャラバンなどが店を開いたり
町の中に入れない規模の集団用の広場である
この外側が一般の農地でその外側が納税用の大麦畑である
そして、大麦畑の中のダンジョンはもう無い
朝の訓練の休憩中にアーティさんとニックさんに南の町について聞く
「そうかマサトは南に向かうのか」
ニックさんが呟くように言う
「何かあるんですか?」
「きっとニックはアイリちゃんを心配してるんだよ」
「南に行くとイスタリア教の勢力範囲だからね」
アーティさんが代わりに答える
「イスタリア教は奴隷か獣人に厳しいんです?」
「獣人だな」
ニックさんが吐き捨てるように言う
「イスタリア教は大陸最大の宗派で人間以外は認めない宗派なんだ」
「獣人はいないわけじゃないが、イスタリアの宗主国では迫害される」
「宗主国に行くにつれて獣人差別が酷くなるんだ」
「でも、結構な遠くだし船で避ける手もあるから大丈夫だよ」
「ここから南に向かうなら駅馬車だな、一度北に行ってから船でもいい」
「駅馬車ならコルデロル卿の領内を経由してから王都に行くことになる」
「船なら一気に王都まで行ける、馬車なら乗り継ぎだね」
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