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キンッ…カシャッ
「誰に負ければいいか、聞いてんだろうがよっ」
キンッ
ボッっとライターに炎が灯る、オレンジ色の炎が揺らぐ
カシャッ
「ぐはぁっ」ドシャと地面に重いものが落ちる音と、うめき声が同時に聞える
シュバンドルフの右腕が焼失していた
キンッ…カシャッ
キンッ…カシャッ
何でこんな事になったのかとシュバンドルフは考える
この男の目的は何なのかとシュバンドルフは考える
が
わからない
負けてやると言っている、八百長してやると
賭け試合にはよくある事だ、今までもあった
だが
気に入らなかった、負けてやるのが気に入らなかった
闘技場の中でも外でも気に入らないものは叩き潰してきた、引き裂いてきた
その俺が負けてやると言っている、八百長に応じると言っている
しかし、右腕を燃やされた
わからない
この男がわからない
この路地に入る理由となった男達は既に居ない
奴らは分かりやすかった
酔っぱらい、わめき暴れていた
そして難癖を付けてきた、この俺にである
数が有れば勝てるとでも思っていたのか、次々と沸いてきた
しかし、すべて潰した
まわりの壁を赤く塗ってやった
そこに、この男が現れたのだ
最初は奴らの仲間だと思った
が
ちがった
奴らは既に灰にされている
わからない
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