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それから2日。
朝食を食べてすぐに霧浜駅に直行し、ストリートを日が暮れるまで眺めていたが、彼女は駅前に現れなかった。
僕は飽きもせず、今日も霧浜駅へとやってきた。
彼女を初めて見たのは、ちょうど1週間前の土曜日。
もしかしたら、今日なら彼女に会えるかもしれない。
そんな淡い期待で早く目覚めた僕は、Tシャツにハーフパンツのカジュアルスキンをつけて、いつもより早く駅へと降り立った。
駅の入口から日光を避けつつ、メインストリートを見下ろす。
休日だから、午前中からかなり人が多い。
だが、生身で歩いているのは年寄りばかりで、大抵はスキンをつけた人間ばかりだった。
僕は、いつもと変わらない光景に深いため息をついたが、今更家に帰る気はさらさらなかった。
そうしているうちに、太陽が高くなり、ジリジリとアスファルトを焼き始めた。
ストリートの店がちらほらとオープンしだし、駅からストリートへ人がどんどん流れ込んでいった。
日陰の中にいても、気温が上がっては、あまり意味がない。
僕は、足元に置いていたリュックからペットボトルを出し、ミネラルウォーターをがぶり、またがぶりと飲んだ。
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