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初めての洞窟探検
翌日、宿を出たライト達は街のすぐ近くにある洞窟へと赴いていた。近隣に住む村人からの話で、最近洞窟からうめき声が聞こえてきて気味が悪いので調べてくれと頼まれてしまったのだった。
勇者としては困った村人を救ってあげたいが、戦ったことがないため魔物を倒せるか自信がない。連れの自称魔王もどの程度の力量なのかもわからない
のでとても不安である。
「勇者、いつ中に入るんだ?」
洞窟の入口で数分立ち尽くしているライトに待ち疲れたディベールが声をかける
「入る!入るって…」
「さっきも言ってたな、それ」
「うるさいぞ…」
「怖いのか?」
「…………少し」
戦闘なんかしたことが無いライトには、洞窟に入るとか強敵と戦うとか戦闘に関係することはレベルが高く足がすくんでしまう。勇者になった以上克服しなければいけないが、昨日の今日では流石に無理な話でつい本音を漏らす
「大丈夫だ。私がついてる」
軽くライトの背中を叩き流れるような手つきで腰を抱くとそのまま洞窟の中へと歩いて行く
「おい…っ」
「勇者は、私が守るから安心して戦え」
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