初めての洞窟探検

4/9

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
怪我をしている頭で噛み付こうと大きな口を開けてきたケルベロスの攻撃を避けて軽々と頭の上に乗ると、呪文を唱え怪我の部分に手を当てる すると、淡い緑色の光がケルベロスを包み込む。数秒後ディベールがケルベロスから降りると先程まで唸っていたケルベロスは傷が癒えて痛みが引いたせいか静かに丸くなって眠ってしまう。 「治ったのか?」 「傷だけはな。魔力と体力の消耗が激しい。このまま放置してもあまり良くはならないだろうな」 「村に連れていく」 「どうやって?」 連れていくにも巨大すぎて引っ張っていくことも出来ずライトは困った表情を浮かべる。何かいい方法がないかと考えているとシューと空気が抜けるような音が聞こえてきてディベールはケルベロスの方に顔を向ける。 「勇者、あれなら運べるぞ」 振り返りディベールが指した先を見ると、体を維持出来るほどの魔力が尽きたのかケルベロスの体は小さくなり小型犬ほどになっている。ライトは近寄り眠っているケルベロスを抱き上げて体を撫でてあげる。眠っている姿は可愛くただの犬にしか見えない。 「戻って飼い主探すぞ」 どこか張り切ってるライトにディベールは小さくため息を漏らす。 「やはり、勇者とは人助けをするものなんだな」     
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加