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これからも寄り道が増えそうだとディベールは諦め気味に思う。先に行ってしまったライトを追いかけてディベールも洞窟から出る。
先程、洞窟の調査を頼まれた村に戻り誰か飼ってくれる人がいないか探す。しかし、色んな人に聞いてみるがなかなか見つからない。
「勇者、あの娘にしよう」
「え?しよう?」
ディベールの目線の先には、家の前で鉢植えの花の手入れをしている一人の女性がいる。ライトが抱えていたケルベロスの首の皮を掴んで女性の元へ近付き胸元へ押し付ける
「ちょっ!何やってんだ!」
ディベールの行動に驚きすぐに駆け寄り止めさせようとするライト
「あら、可愛いワンちゃん」
いきなり突き出されて女性は驚いたようだったが、すやすや眠るケルベロスを抱いてよしよしと撫でる。
「お前が世話をしろ。コイツはいい番犬になるぞ」
「なに、勝手に…」
「番犬…最近、クマをよく見かけると言うから追い払ってくれるかしら?」
「問題ない。恩を感じた相手にはとことん尽くすタイプの犬だ。今は少し弱っているから体力が戻るよう世話してやれ」
どこまでも上から目線で勝手に決めつける物言いに、ライトはハラハラしながらやり取りをみていたが話はとんとんと進みケルベロスはこの女性が飼う事になった。
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