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「そうかもしれないけど…喜ばれるような、ましてやお礼を貰うようなことしてない」
「あの村にとっては勇者のおかげで問題が解決したことには変わりないだろう?活躍したかどうかなど誰も見ていない」
ディベールの言うことはわかってはいたが、ライトは何だか歯がゆい感じしかなかった。手に持っていたリンゴを1つディベールに渡す。
「…とりあえず、有難う。お前がいてくれて助かった」
勇者にお礼を言われディベールは嬉しくなり、思わず後ろから抱き締める
「うわっ!何!?」
「勇者に礼を言われるのは初めてだ。なかなかいいものだな」
「はぁ?」
ライトから体を離して嬉しそうな笑みを向ける。
「気分がいいから勇者の質問に1つ答えてやる」
「何だよ急に…」
「ほら、質問しろ」
何故、強制的に質問しなくてはいけないのかライトには分からなかったが自称魔王の相手には謎が多い。どうせなら一番困りそうな質問にしてみる。
「じゃあ……魔王の弱点教えて」
さすがに弱点は教えられないだろうと思っていたが、目の前の自称魔王はライトに向かって指をさす。
「魔王の弱点は勇者だ。魔王に傷をつけるのも殺すのも勇者だけだ」
簡単に答えたディベールに驚いていると腰に下げていた剣をするりと抜かれ、何をするかと思いきや自分の腕に剣を突き刺す
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