勇者と魔王、盗賊に絡まれる。

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「ちげーよ。全部寄越せって言ってんだ。素直に渡さねーなら身ぐるみはぐぞコラ」 「ほう…力ずくか…」 男の言葉に楽しそうな表情を向けるディベールに、ライトは嫌な予感を覚えジャージの裾を引っ張る 「おい、あんまり挑発するなよ」 「先に挑発してきたのは向こうだろう?」 「何事も穏便にすませろって」 「勇者は難しい事を言うな」 二人でコソコソと話す様子に男の怒りはどんどん溜まっていく。痺れを切らし後ろで大人しく待機していた子分二人に攻撃しろと顎で指示をだす。 二人は剣を取り出しディベールとライトに向かってそれぞれ斬り掛かる。 攻撃に気が付いたディベールがライトを片手で突き飛ばし相手の攻撃を避ける。突き飛ばされたライトは驚くがすぐに体勢を立て直し腰についている剣を取り出し構える。 道中モンスターと大量に戦いすぐに剣を抜き構えるというのがやっと体に染み付いてきたのか少し様になってきている 「やはり穏便には無理そうだぞ」 ライトも薄々そんな気はしていたが話し合いで済むなら一番いいなと思っていた。盗賊相手にはやはり通じないようでライトは眉をひそめる。 「殺すなよ」 「何故だ」 「何でも!」 「難しい事を言うな…」 ライトの言葉にため息をつくと面倒くさそうな表情を浮かべ、剣を構える子分の男をじっと見つめる。     
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