勇者と魔王、盗賊に絡まれる。

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持っている剣はそれほど大きくなく重さは平均的に見える。装備は皮だが所々に鉄装備も混じっており防御力は斧を持った男より高そうだが、ライトから殺すなと言われてしまったのでどう加減するか悩んでいた。 「魔法では死んでしまいそうだな…」 子分の男は剣を振りディベールに斬り掛かるが、どう斬っても舞い散る葉のようにひらりひらりとかわしていく。 「雑な剣さばきだ。その武器お前に合ってないのではないか?」 「なんだと!」 ディベールの言葉に腹を立て大きく振りかぶり思い切り振り下ろす。わかりやすい太刀筋は、案の定ディベールには避けられ剣は地面の土を少しえぐる。 ディベールは片足で剣を踏み潰し腰に両手を当てて男を見据える。 「たかだか盗賊ごときが私に傷を付けられると思っていたのか?愚かな…」 「このっ…足っ!」 剣を押したり引いたりしてみるがビクともせず男がもがいているのをみてディベールはほくそ笑む。 「すまない、踏んでいたな」 足を上げると剣を引っ張っていた男の体勢が大きく崩れてよろけてしまう、そこへディベールの重い回し蹴りが男の顎へ直撃。 男はきりもみ回転しながらふっ飛ばされ斧をもった男の横を通り過ぎ地面に顔を擦り付けやっと静止する。
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