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小さい港町レストイア
ライトの故郷ダラムから北東に進んだ場所にあるレストイアは、ミッティア地方唯一の港町である。小さい港ながらも市場には新鮮な魚が並び、船からの旅行客なども多い。料理が美味い町で有名なのである。
そんな、港町レストイアに到着した二人は宿を決めた後、食事をしようと港近くにある酒場にやってきた。
中へ入ると賑わっているかと思えば、わりと静かで落ち着いたジャズが店内に流れている。
空いている席に座ると若い娘がオーダーを取りにやってくる。
「いらっしゃいませ。何にしましょう?」
「うーん、どうしようかな…」
ライトはテーブルに置いてあるメニューを手に取り何を頼もうか悩む。そんなライトの向かいに座るディベールは長い足を組み店の奥に座る男達を眺めていた。
「それじゃあ烏龍茶と刺身の盛り合わせとご飯一つ」
「はい、そちらのお兄さんは何にしますか?」
「この店で一番強い酒を一つ」
「はい、かしこまりました」
オーダーを取り終えると娘は厨房の方へと歩いて行く、その様子をライトはなんとなく目で追う。途中、目の前のディベールを見るが魔王様はどこか違う場所をじっと見つめていた。
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