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「魔王っぽいことしないわけ?」
「魔王っぽいとは何だ?」
「人間を殺したりとか?戦争?」
「興味無い。人がどう死のうが、土地がどうとか私には関係ない」
言い切るディベールの表情は眉に皺を寄せ嫌悪してるかのように見えた。
「魔王っぽくないな…やっぱ偽物か」
「そうかもしれんな」
疑いの目をディベールに向けるが、ククッと小さく笑われてしまい上手くあしらわれてしまう。
やはり、この魔王からは敵意のようなものは感じず疑問しか残らない。
魔王の事をもう少し調べようと決めると、ライトはまたゴロンと寝転がり天井を見上げる。
「勇者はやめないのか?」
「え?何を?」
急に質問され頭の後ろで手を組み頭だけ少し起こしてディベールを見る
「“勇者”をだ。ここでやめても誰にも何も言われないだろう?」
ディベールに言われ強制ではない事を思い出す。魔王様を目の前にしてやめるとも言いにくい状況ではあったが、いつでも切り上げられる状態ではあった。
「んー、最初はやめたかったけどここ数日で興味が湧いたからさ」
「興味?」
「うん、もう少し魔王様と一緒にいたくなったんだよ」
「……そうか」
思いがけないライトの言葉にディベールは嬉しそうに笑うと、ベッドから腰を上げ隣のベッドに寝転がる。
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