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勇者と魔王、盗賊に絡まれる。
港町のレストイアに向かう道中、いきなり数人の男達に道を塞がれて2人の足は止まる。
「金と食料置いていけ」
そう告げたのは体格が大きく鍛え抜かれた筋肉が綺麗に見える皮装備をした男。背中には大きな斧を担いでおり、いかにも力が強そうに見える。
ライトとディベールはキョトンとした顔で男の顔をみていて、まだ状況にピンときてない様子。
「おい、聞いてんのか?金と食料だよ」
「だそうだ。あげられるものはあるのか?」
「え?」
急に隣のディベールから話を振られて
ライトは驚くが、とりあえず持っている財布を確認する。道中現れたモンスターを狩って得た少量の小銭と王様から貰ったお金の残りしか入っていない。今夜の宿代と食事代で全て無くなりそうな額だった。
「んー…今夜の宿代と食事代ぐらいしか入ってないからなぁ…食べ物は持ってないし」
「あげられる物は何もないそうだ。他をあたれ」
腕組みをして男に対してもどこか偉そうな態度で答えるディベール。物怖じしない態度は魔王ゆえか。
そんなディベールの態度に男はイラついたのか背中に担いでいた大きな斧を取り出しライトとディベールに向ける。
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