第一話 魔法《ミャホー》のちくわ

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雑に描かれた落書きが少しホラーな雰囲気を漂わせていた。 この道を進めばどこにたどり着くのだろうか。 もうこんな人生には飽き飽きしていた。思い残すことは何も無い。 「あら、 お兄さん」 背後から声が聞こえた。反射的に振り向く。 しかし後ろには誰もいなかった。鳥肌が立つ。 気のせいだと自分を無理矢理納得させ、前を向いた瞬間だった。 つい、悲鳴を上げてしまった。黒いマントに身を包んでいる老婆が目の前に立っている。 恐ろしいくらい不思議なオーラがあった。 驚く俺には目をくれず、話し出した。 「この道を歩いているということはお兄さん、相当病んでるね?」 あなたには言われたくない。心からそう思う。 「いま『あなたには言われたくない』って思っただろう。」 心を見透かしたような目で見つめられる。心拍数が高くなってしまう。 「お兄さん今嫌な悩みを抱えているだろう?言わなくてもいい、   私にはすべて分かっている。 そんなお兄さんにプレゼントだ。」 老婆に何か手渡された。目を凝らしてみる。     
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