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雑に描かれた落書きが少しホラーな雰囲気を漂わせていた。
この道を進めばどこにたどり着くのだろうか。
もうこんな人生には飽き飽きしていた。思い残すことは何も無い。
「あら、 お兄さん」
背後から声が聞こえた。反射的に振り向く。
しかし後ろには誰もいなかった。鳥肌が立つ。
気のせいだと自分を無理矢理納得させ、前を向いた瞬間だった。
つい、悲鳴を上げてしまった。黒いマントに身を包んでいる老婆が目の前に立っている。
恐ろしいくらい不思議なオーラがあった。
驚く俺には目をくれず、話し出した。
「この道を歩いているということはお兄さん、相当病んでるね?」
あなたには言われたくない。心からそう思う。
「いま『あなたには言われたくない』って思っただろう。」
心を見透かしたような目で見つめられる。心拍数が高くなってしまう。
「お兄さん今嫌な悩みを抱えているだろう?言わなくてもいい、
私にはすべて分かっている。 そんなお兄さんにプレゼントだ。」
老婆に何か手渡された。目を凝らしてみる。
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