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「…分からない」
「またそれかよ」
少しの間を置いて発した私の返答に、レオはうざそうに眉を寄せると短くなった煙草を灰皿に押し付ける。
私もそれに続くように、火を消した。
本当に分からないのだから仕方ない。
だって私には、死にたいと強く嘆くような絶望も生きたいと強く願うような希望も、どちらも持ち合わせていない。
「――…でも」
でも…ひとつ、言える事があるとしたら、
「…イカせて欲しいって、いつも思ってる」
きっと、それだけだろう。
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